マンションの機械警備費の適正化が一筋縄ではいかない理由

これまで多くのマンションで管理委託費の適正化のコンサルティングで成果を挙げてきましたが、機械警備費も例に漏れず割高なケースが多い項目の一つです。

まず、マンションの機械警備の基本的な仕組みを説明しましょう。

マンションの共用設備の不具合や住戸内で発生した火災・ガス漏れなどの事故は、管理室内に設置された監視盤で異常信号を常時受信しています。

機械警備を導入している場合、その異常信号が即時警備会社のコントロールセンターに移報され、受信から25分以内に警備員が現場に駆けつけて対応することになります。(下図参照)

 

この機械警備の費用ですが、マンションの規模や監視対象の箇所数によってかなり幅があり、安ければ月額1万円台ですが、高い場合は10万円前後にまで及びます。

一般の分譲マンションでは、管理会社が管理組合から管理員や清掃業務等を含めて一括で元請けしており、この機械警備については警備会社に再委託しています。

つまり、管理委託費全体でコミコミ価格として負担しているので、費用の相場観を持ち合わせていない管理組合にとってはそれが高いのか安いのか到底判断が付きかねるというのが実態です。

その機械警備費にメスを入れる際に留意すべき点をご紹介しましょう。

(1)同業他社に見積もりを依頼する

機械警備の場合、各マンションによって仕様や規模が異なるため、他の管理業務と異なり一定の「相場価格帯」で査定することが難しいという特性があります。

そのため、コスト適正化の常道として、同業他社から相見積もりを取得するのが必須条件となります。

その場合、現在の管理会社との「しがらみ」を考慮して、あえて見積もりを辞退する業者もいるため、事前にヒヤリングすることが大切です。

 

(2)必ず現地調査は見積もりの必須条件

冒頭でも述べたように、機械警備費の金額にはマンションの規模だけでなく、警備監視の対象となっている箇所数や内容によって変動します。

たとえば、事前に以下のようなチェックが必要です。

➀住戸内の監視は含まれるか?

住戸内の監視対象も非常通報のみという簡易仕様の場合もあれば、窓や玄関に防犯用センサーを設置して監視している場合もあります。

②集合インターホン機器と警備が一体化していないか?

警備会社によっては集合インターホンシステムとセットで機械警備を受託しているマンションもあります。

このような場合、既設のインターホンのままでは同業他社に変更することができません。

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.comそのため、必ず現地調査を行って、管理室に設置されている監視盤を見てどのような警報信号をカバーしているのかをチェックする必要があります。

 

(3)機械警備に付帯する業務が含まれないか確認する

マンションによっては、居住者からの電話等を受け付けるためのコールセンター業務も含んでいる場合や、現地の巡回点検を実施している場合があります。

ところが、管理組合との委託契約でチェックしてもそこまで仕様の詳細が記載されていないこともあるので、慎重に確認することが必要です。

ちなみに、先般、顧問先のマンションでも、機械警備費の見直しを行ったところ、警備会社を変更して従前の半額以下にまで費用を削減することができました。

 

詳細は下記の記事をご参照ください。

aplug.ykkap.co.jpこのマンションでもっとも驚いたのは、機械警備費のうち管理組合の会計収支に費用計上されていたのが管理室の部分だけで残りの住戸全体の費用は簿外で処理していたことです。

管理費等と同様に、戸あたり月額1,375円徴収していたにもかかわらず、なぜか「預り金」で計上するだけで収益にも費用にも住戸分は一切計上されていませんでした。

そのため、うっかり適正化の対象から見落としてしまうところでした。

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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