マンションの水をより安全においしく飲む方法

自分の住んでいるマンションの給水方法についてご存知ですか?

マンションなどの共同住宅は、給水の方法としてその多くが貯水槽方式を採用していて、水道局から供給された水をいったん建物内の水槽に貯めてから、ポンプを使って各住戸に配水します。

そして、安心・安全な水を供給できるよう年1回の水質検査(残留塩素の濃度を確認)と貯水槽内の清掃が法律で義務づけられています。(※10トン超の貯水槽の場合)

しかし最近では、東京都をはじめ多くの自治体が受水槽を介さずに水道局の配水管から直接給水する「直結方式」を推奨しています。

その理由は、2つあります。

一つは、水槽内の水が以前より滞留する時間が長くなったことで塩素濃度が低下し、衛生状態が悪化する傾向があるためです。

この背景には、たとえば節水機能の高い水洗トイレや洗濯機の普及、ペットボトル型飲料水の消費増などの現代人の生活スタイルや、単身世帯の増加など社会状況の変化も関係しているようです。

もう一つは、給水管に設置する増圧ポンプの口径が拡大されたことで、受水槽を経由しなくとも増圧ポンプで各住戸に給水できるマンションが大幅に増えたことがあります。その結果、20階以上の高層マンションでも、増圧ポンプを多段階に設置すれば直結式の給水が可能となっています。

分譲マンションの長期修繕計画では、築20~25年の時期に古くなった貯水槽を単純に更新する予定となっていることが多いと思いますが、「より安全でおいしく水を飲めるオプション」として貯水槽を撤去し、水道からポンプに直結することを検討してもよいでしょう。

 

【参考になるサイト】東京都水道局ホームページ

 

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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コメント

    • デユピュイ取る
    • 2015年 2月 04日

    「直結方式」。私のマンションはまだ築10年未満のため、情報収集として役所の水道課に話を聞きに行った。住所を聞き、地図を見た担当者の話では、現在敷設してある水道管は「直結方式」に耐えられる仕様になっていませんし、今後もそういった仕様に交換する予定もありませんという事でした。残念

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